ガラスはさまざまな顔を持つと、つくづく思う。
温かい顔に冷たい顔、柔らかな表情や硬質な表情、鋭さを表すこともあれば優しさにも満ち、重厚であったり軽やかにもなる──しかもすべての顔が、言い知れぬ魅力に溢れている。
私はもう30年以上も、そんな多面体の素材であるガラスに惹かれ、ジュエリーを制作し続けてきた。
現在、そんなことはもうほとんどないが、私がガラスのジュエリーに手を染めた当時、ガラスには宝石のイミテーションというイメージがつきものだったように思う。けれど知人の紹介でたまたま出かけた工房で出会って以来、私はガラスそのものに惹かれた。「ガラスでいい」ではなく「ガラスがいい」と心底、感じ入って、旅は始まったのである。
ガラスとの旅路──序にかえて より
著者:光島和子
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
1968甲南大学社会学部心理学科卒業。
1985第19回国際ジュエリー展銀賞(セルジュ・ユーゴスラビア)。
1988日本クラフト展優秀賞(銀座松屋)。
1990’90 La triennale‐du bijou contemporain(リュクサンブルグ美術館・パリ)。
1994日本のガラス展(ヘラーギャラリー・ニューヨーク)。
1995コンテンポラリージュウリー展(国立近代美術館・東京)。
1998“Jewellery Moves”(スコットランド国立美術館・エディンバラ)。
2001“Contemporary Japanese Jewellery”(Crafts Council・ロンドン)。
収蔵、コーニングガラス美術館・ニューヨーク、スコットランド国立美術館・エディンバラ、専門学校ヒコ・みづのジュエリーカレッジ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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